Leica IIIbが我が家にやって来た

写真方面の話。そのうち買うかな、と思ってたら中野に行った際に買ってしまった。

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元々軽くて趣味性の高いレンジファインダーが欲しいと思ってた所であった。OLYMPUS XAがあるからいいじゃないか、とも思っていたのであるが、外装がプラスチック過ぎるのとピント合わせがひたすら難しいのが難点であり、年代的にいつ壊れてもおかしくない電子式シャッターが心配でもあった。欲しいのは、薄くて軽くて金属製で長く使えるもの。

となると自然に候補に挙がるのがバルナックライカである。M型ライカの前の、初代Lマウントの機種である。

本機はその中でも1938年製である。日本の所謂大東亜戦よりも前のドイツ(だから第二次世界大戦)のものである。巡り巡ってこれが日本にあるのが不思議でもあるのだが、そもそも世界中のライカの何割かは日本にあるらしい。IIIbはLeica III型の3番目(III, IIIa, IIIb)であり、本体が板金で作られた最後のものだそうだ。しかも設計者のオスカー・バルナックが生きてた頃の最後の機種、3万台程度しか作られてない、ということで、知る人ぞ知る機種である。

まあ、そういう希少話はさておいて、私がこの機種に決めた理由を忘れないうちにまとめておきたい。

  • IIIc型以降より小型であること。
  • メッキや内部部品の品質が第二次世界大戦より前で良く、長期利用に堪えそうであること
  • ファインダー部分がIIIa型の板金型より改良されたダイカストになっており、距離計との間隔が狭まったこと
  • 距離計が50mmファインダーの1.5倍像、全面二重像となっており、ピント合わせが極めて楽なこと
  • フィルム巻き戻しレバーを動かした際に誤って露光しないように自動でシャッターが閉まる構造になってること
  • 沈胴型Elmarが超小型で軽く、合計でも660g程度にしかならないこと
  • Elmarを沈胴させた時の薄さが半端なく薄いこと
  • コストパフォーマンスに優れていること(結構安い)

といふことで、中野の某店から我が家にやってきたLeicaである。IIIbはその生産台數の少なさから、一般的なIIIfよりも高額で良品も少ないらしい(Web中古サイトでも確かにいいのが見つからない)のだが、偶然上京した際に運が味方してくれたようだ。とにかく安く買った実用品であるため、中身はオリジナルという訳でもなさそうであり、軍艦部の彫り込みの墨入れも部分的に剥げている。ピカピカだと逆に貴重過ぎて使えないので、このくらいのが欲しかったのである。

レンズはこれまた定番のElmar 5cmにとりあえず決めた。なんせレンズが引っ込む所が素晴らしい。製造番号を調べたところ、1946年製だそうである。これは戦後ですな。マニアに謂わせると年代が揃ってないダメな組み合はせなのだろうけど、とにかく良品が何せ安く買えたので良しである。恐らく市場最安値圏で買ってしまった。ガタもなく傷も少なく、多少曇ってるかも、と謂う程度で、ヘリコイドも絞りも重くグーッと動く感じで、グリースも切れておらず、良好である。

といふことで、この構成で夜間の試写へ突撃していったのであった。現像してみると極めて良く映っていたので、壊れてはいないようだ。いま出先であるため、この結果は帰宅後にフィルムを読み取って画像を掲載したい。

35mm判は今後旅行時のメインカメラとして割り切るつもりだが、本機はその小型さと薄さで大活躍してもらう予定である。想定ではだいぶ後年に買う積もりだったのだが、数十年前倒しになってしまった。まあ、良い。これを良い機会に、モノクロフィルムや自家現像なども今年からゆっくりと始めて行きたいと思っている。


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