これまでの流れを考へると何となく場違いな(笑)コンピューターな話題が續いてしまったのだが、そろそろ年末であるため、今年の寫眞についてもゆるりとまとめておきたい。
今年の9月末にJavaOneカンファレンスの爲サンフランシスコにまたもや行ってしまったのだが、前回の教訓として「重い物はヤバい」といふのがあった。まあ、重いのを背負って一日中移動しまくると云ふのは確かに考へた方が良くて、去年はHASSELBLADと散々比較して悩んだ擧げ句、万能用途としてF6とAF-S VR 24-120mm(旧型)をリュックに突っ込んで行ったものの、デカいわ重いわで碌な想い出が無いといふ散々な結果に終はってしまったのであった。ハッセルを持っていかなかったのだけは、正解であった。
そのため、今年は思ひ切ってレンジファインダー至上最軽量のXAをポケットに突っ込んで行った。結果は大成功で、無限遠に固定して街角でパチ、ギーギー、何かあったらパチ、ギーギー、とまあスナップ用途としては確かに素晴らしい成果を挙げたのであった。
第一、この写ルンですの元ネタでもあるXAは端から見ても只の玩具であり、もしくは激安のデジカメ型落ち品のやうにも見える。このためクソ危險なサンフランシスコの街中でも、盗まれる恐れも、その爲に襲はれる恐れも少ないのである。絶対高値で賣れないであらうことは素人目にも明らかなのだ。iPhone 5Sで撮る方が100倍危ない。
XAのレンズは一応、瑞光の名前が入っているものの、まあツァイスのテッサーもどきな小型レンズの割に描寫は微妙といふものかなと思ふ。この寫眞のスキャン結果を見ても分かるとおり、今年の街角でもあら不思議、80年代の薫りが。要するに、逆光氣味で撮るとボワーンとなってしまうのである。順光だといいんだけどね。
ピントが合ってるところは流石にテッサー型であるためか、至って鋭い。ISO 400のフィルムの粒子の粗さも相まって、なかなかの雰圍氣である。
まあ、逆に云ふと變なコーティングやら何やらが無くて至って普通の何の変哲もないレンズだ、とも云へるだらう。
XAは持つ喜びと云ふ世界とは無縁のプラカメであるものの、かういふ用途には絶好である。同行の士に「それ何?」と何度も聞かれたが、「只の35mmフルサイズのカメラ」と應へておいた。殘念ながらこの洒落はほとんど通じなかったやうだ。