Sinar Rollfilm Holder 6x7cmがロシアから到着

 既にほぼ一月前の話になってしまうのですが、常々欲しかったSinarのロールスライドアダプターSinar Rollfilm Holder 6x7cmをeBayで入手しました。これ、新品で買ふと数十萬圓かかってしまう貴重品なのでありますが、eBayにて國内では絶對に入手不能なくらい安價で落札できました。

 ちなみにSinarので有名なのはSinar Zoom 2といふ6×4.5から6×12まで伸縮自在のものでありますが、これは6×7固定のもの。私は4×5とほぼ同比率の6×7しか使はないので、これで充分であります。

 4×5の大型寫眞機でブローニーフィルムを使ふには、ロールアダプターといふのを追加でハメる必要があるんですが、一般に普及しているホースマンやリンホフ(Super Rollex)やウイスタのものは、グラフロック型になっているため一旦ピントグラスを外してハメる必要があります。これが實に面倒。こんな手順になります。

  1. ピントグラスでピント合わせる
  2. シャッターを閉じて絞り・シャッター速度を合わせる
  3. ピントグラスを外す
  4. ロールフィルムアダプターを付ける
  5. 引き蓋を引く
  6. シャッター
  7. 引き蓋を閉じる
  8. フィルムを巻き上げる
  9. ロールフィルムアダプターを外す
  10. ピントグラスをはめる

 これ、とにかくピントグラスをハメたり外したりと、まぁてんやわんやの大騒ぎでありまして、外したピングラをどこに置くか、なんて所から惱む必要が出てきたりします。

 で、これを解決するには、通常の4×5のカットホルダーと同じやうにピングラの横からスライドインさせるタイプのものを使へば解決。

  1. ピントグラスでピント合わせる
  2. シャッターを閉じて絞り・シャッター速度を合わせる
  3. ロールフィルムアダプターをスライドイン
  4. 引き蓋を引く
  5. シャッター
  6. 引き蓋を閉じる
  7. フィルムを巻き上げる
  8. ロールフィルムアダプターをスライドアウト

 こんな感じで、要するにカットホルダーと(巻き上げ以外は)ほぼ同じ手順になります。なわけですが、このスライドイン型のが數が少ない。調べた限りでは、こんなのがありました。

 あとCambo(Calmet)のがありましたが、えらく評判が惡かったので除外。このうち私の方では最初にTOYOのロールフィルムホルダーのボロボロ中古を超安價で入手したのですが、これの厚みが凄くてWISTA 45 SPに突っ込むとピングラのバネが折れる勢いで、無理に挿入するとパチンとピングラが外れる事が判明。これは使へないので却下。

 次にLinhofのRapid Rollexを買おうと考へたのですが、これ、差し込んだときに印面が左に寄ってしまふといふ致命的な弱點があることが判明。要するにピングラの中央で合わせてもダメって事で、フラストレーション貯まりそうな事間違ひ無しなので却下。

 そして、最後のSinarのやつ。これは上記の問題が解決できさうなのですが、WISTAで試した情報が檢索しても出てこない。ならば私が試してやらう、とeBayを探していたら激安品が出ているではありませんか。早速最低價格で入札したら、そのまま落札できてしまいました。

 我が家に到着したSinar 67。何とロシアから届きました。到着まで約24日。地球一周してやってきました。しかしまぁ、よく届いたもんだ。ロシア語であれこれ書いてありますが、なんのこっちゃらサッパリであります。

 早速我が家のWISTA 45 SPに突っ込んでみました。が、ここで問題發生。

 何と、ピントグラスの枠の指をかける出っ張りの部分と、Sinar 67の盛り上がってる部分(フィルムを格納する場所)が接触。そのため、ロールホルダー本体とピングラの間に∠型の隙間ができてしまいます。しかし、どっちにせよスプリングで押さえられている狀態は變はらず、使用上は全く問題がありません。良かった良かった。

 ピングラを大きめに開いて、Sinar 67を奥まで突っ込むとグラフロック仕様の例の「カクッ」と填る手應へがありますので、それでOKであります。この後試寫してみましたが、光線漏れ等々は一切ありませんでした。

 といふことで、WISTA 45とSinarのロールフィルムアダプターはちょっと條件付きではあるけど使へます、と云ふのが本稿の結論でありました。試寫内容は明日にでも。

※追記: 試寫分を投稿しました。


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“Sinar Rollfilm Holder 6x7cmがロシアから到着” への1件のコメント

  1. kumon hirokazuのアバター
    kumon hirokazu

    武者返しさんがおっしゃる通り、ホースマンなどのピングラと入れ替えるロールフィルムホルダーは、不便だ。ピングラを落として割れるようなことがあったらどうしようと思うと神経を使う。ジナーロールフィルムホルダーならピングラを外さなくていいから便利だ。委託品で中古相場の4割引きくらいで6*7マスクがついているものを買った。カメラ屋で何度も念を入れてエボニーに使えるかと確認した。使えると保証した。ところが、ピングラを引き起こす部分がフィルム格納部に当たって最後まで入らない。無理に最後まで入れてもピングラ引き起こしの部分が丸く削ってあるので勝手に元に戻る。少しずれているだけなので、レンズスタンダードをシフトしてレンズの中心とフィルムの中心を合わせればいいかと考えたけれど、わずか光線漏れでスリットが入る。残す手は、ホルダーの遮光板をひく前に遮光布をカメラにかぶせることでしのげるかと考えた。しかし、他のカメラ屋のホームページもジナーロールフィルムホルダーはエボニーで使用可能とあるが不親切だ。もちろん、ジナーf2、c2で使うのには何の問題もない。