さてGT-X970が我が家に來て暫く經つのですが、前々から我が家に鎮座していたNikon SUPER COOLSCAN 5000 EDとのガチンコ對決をどこぞでやりたい、と常に思っておりました。連休に入ったので、早速試してみました。
■スキャンするフィルム
さてテストに駆り出される生け贄ですが、できるだけ難しさうなやつを・・・と思ひ、粒子の粗く繪柄的に精細で、しかもシャドウ部が多めのものを・・・と極惡なやつを選び抜きました。イッヒッヒ(笑)
- FUJICHROME PROVIA 400X 135 35枚撮り
- Nikon F6
- AF-S VR Zoom-Nikkor ED 24-120mm F3.5-56G
- 2008年12月 伊勢神宮内宮にて撮影
これはISO 400のフィルムなので、ISO 100のPROVIA 100FやVelvia 100Fなどよりも粒子が粗めです。綺麗なスキャン結果だけを考へればVelvia 50の寫眞を選擇するのが良いですが、それだと比較しづらいので敢えてこれを選んでおります。なので、今回のスキャン結果を元に、フィルムはこれだけの解像度しか無い、とかいふ判斷材料にはなりません事を予め申し添えておきます。
■スキャン機の共通スペック
- MacPro 2 x 2.66GHz Dual-Core Intel Xeon
- 5GB 667MHz DDR2 FB-DIMM
- HDD 320GB x 4
- Mac OS X Leopard 10.5.8
普通のMac機です。今や珍しいタワー型のやつです。コア二つのCPUが二つなので平行動作が得意でして、スキャンしながらCDを焼きながらメールを書いてYouTubeを覽る、なんてこともできる頼もしいヤツです。周辺機器の關係上、これだけまだ10.5のままです。後述。
■Nikon COOLSCAN 5000 ED 1.02
- USB接続
- Nikon Scan 4.02
- ストリップフィルムアダプタSA-21使用
- 4000dpi (5000EDの最高解像度、3946x5748pixels=22,681,608畫素(約二千萬畫素))
- カラーバランス: 明るさ+10
- マルチサンプルスキャニング: 超高畫質(16x)
- DIGITAL ICEを使用: 標準
- JPEG 最高畫質
5000EDは数年前に購入したものですが、既にNikonでの販賣は終了しております。そのためか、Macの最新OSであるSnow Leopardにも未對應(動くかもしれんですが試してません)です。これとプリンターのEPSON PX-G900が10.6 Snow Leopard未對應のため、我が家のメインマシンのOSは10.5のLeopardで止まっております。とっとと64bitカーネル起動したいんですが・・・
爆裂に五月蠅いので、下にフジの4×5の空箱を敷いて、その上に制震ゴムを敷いていますが、焼け石に水です(泣
■EPSON GT-X970
- USB接続
- EPSON Scan 3.28J
- フィルムホルダー使用 (二列目に配置、足の高さ調整無し)
- 3200dpi (2933x4490pixels=13,169,170畫素(約千三百萬畫素))
- 4000dpi (3640x5440pixels=)
- 4800dpi (4400x6736pixels=29,638,400畫素(約三千萬畫素))
- トーンカーブ: 山のない部分をトリミング
- 明るさ: +10
- アンシャープマスク: ON 效果高
- DIGITAL ICE Technology: ON 品質優先
- JPEG 最高畫質
GT-X970のフィルムホルダーを使った場合のカタログ上の最高解像度は6400dpiとなっていますが、公平を期すために5000EDの最高解像度である4000dpi近辺の解像度、3200dpi/4000dpi(カスタム)/4800dpiの三種類で行うことにしました。
■スキャン
さてこれでスキャンしてみました。また正確には計ってないですが、どちらも概ね5分程度で1コマスキャン完了です。音は圧倒的に5000EDの方が五月蠅いです。五月蠅いといふか爆音といふか。GT-X970も結構五月蠅いですが、5000EDの爆音には敵ひませんでございます事よ。
Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED(左) / EPSON PX-G970(右) のスキャン結果(縮小しています)
さてピクセル等倍に擴大して比較してみました。Adobe Photoshop Lightroom 1.4でピクセル等倍にて比較したものをスクリーンキャプチャーしました。
(1) 5000ED 4000dpi vs GT-X970 4000dpi
5000ED 4000dpi(左) / GT-X970 4000dpi(右)
これは5000EDとGT-X970の解像度を一緒にしてスキャンした結果です。見てのとおり、5000ED側は順當に解像している感じがしますが、GT-X970は下手くそにアップスケーリングしたやうな感じになってしまっています。枝がでこぼこ。はっきり言って話にならない結果です。5000EDの圧勝、といふか勝負になってません。殘念。
(2) 5000ED 4000dpi vs GT-X970 4800dpi
5000ED 4000dpi(左) / GT-X970 4800dpi(右)
ではGT-X970側の解像度をもっと上げてみたらどうでせうか? 4800dpiに上げた結果ですが、これもまた酷い。ボロボロです。上の4000dpi時の結果よりもさらに酷さが倍増しています。安價なデジカメで撮ったやつよりも酷いです。
比較するまでもなく、5000EDの完勝。どうした、GT-X970!?
(3) 5000ED 4000dpi vs GT-X970 3200dpi
5000ED 4000dpi(左) / GT-X970 3200dpi(右)
ではGT-X970側の解像度を一気に3200dpiまで落とすと・・・あれ? これはこれは。何と上のボロボロの結果が噓のやうに解像した結果が得られました。解像感はほぼ互角で、しかも葉っぱの影を見る限り、コントラストとシャドー部の浮き具合もGT-X970の方が良好に見えます。
ようやく比較することが出來ました。ほぼ互角なんですが、私の獨斷と偏見では、GT-X970の辛勝、と云ひたいところです。
■まとめ
このやうに、GT-X970の實質解像度は3200dpi辺りが上限のやうに感じます。EPSON Scan上では6400dpiまで選擇できるのですが、この場合3200dpiの結果を無理矢理アップスケーリングしたやうなボロボロ畫像が結果として返ってきました。このやうな結果は前所有していたGT-X750でも同様でしたので、最近のEPSON機の共通の特徴なのでせうか。これは要注意です。
さて、世に一般には「フィルム専用スキャナー>フラットベッドスキャナー」といふ暗黙のヒエラルキーが存在するやうでして、私も概ねそんなもんだらう、と思っておりました。が、今回の結果を見て考えを修正しなければ、と思ひ直しました。
先に書いたとおり、5000EDは既にディスコン状態でして、既に新OS對應も放棄されている極めて寒い状況にあります。VueScanやSilverFastなどといふ有料ソフトを利用するといふ手段も無くはないですが、かういふ機器はよく壊れるし調整も必要だったりしますので、ハードウェアのメンテナンスまで勘案すると、この状態で5000EDを使い続けるのは問題も感じます。
しかも、今回のテストでは、GT-X970を3200dpiで使う限りにおいては、ほぼ同等の結果が得られる事もあります。4000dpiまでの解像度は無いにしても、極めて特殊な用途以外においては、GT-X970の方を選擇する方が半値以上安上がりだし、安定して使い續けられさうだ、といふ事を感じました。しかも、GT-X970の方が5000EDよりも数段静かです(笑)。
追記しておけば、私の主な利用用途は、6×6判、6×7判の120フィルム、4×5判のシートフィルムのスキャンです。この時点でGT-X970の一擇になってしまうのですが、この場合であっても3200dpi以下で利用する事を守れば、良好な結果が得られるといふことになります。
限られた時間と環境で試しただけなので、これがホントの性能かどうかは不明ですが、我が家ではこんな結果になりました。備忘録的に書いてみましたが、どこぞでお役に立てば幸いです。
追記: (左)(右)表記が逆になってるところをご指摘頂きました。修正しました。有り難うございます。
コメント
“EPSON GT-X970 vs Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED ガチンコ對決” への24件のフィードバック
大変参考になりました。
5000EDというのはなかなか素晴らしいのですね。
X970を調整しても諧調の再現性等は追いつかないとは思うのですが、フィルムのフォーカス位置を調整して多少解像度は良くなるという話も聞きますので、高解像度でスキャンする場合は有効かもしれません。
エプソン付属のフィルムホルダーは3段階のみですが、ここのやつは連続して高さを変えることが出来るので良いかもしれません。私は試してませんが、ちょっと欲しいかもと思ってます(^^)
http://www.betterscanning.com/scanning/mainintro.html
微調整した結果がここにありました。
http://www.betterscanning.com/scanning/vb_advantage.html
価格も手頃なので買ってみますか
>arataさん
有り難うございます。いつか書いてみたいと思ってました。
5000EDはとにかくケタタマしい音が嫌で嫌で。ドギャーバルルル!!と耕耘機のような音がして、マンション住まいの私にはとてもじゃないけど厳しいです。使いたいときに使えないのが・・・品質についてはまぁまぁ満足できるんですが。
betterscanningのホルダーは以前も検討したんですが、当時どれを買えばいいのかよく分からなかったのでパスしてました(^^;;; V750のVariable Height Mounting Stationが該当製品みたいですね。うーむ、欲しくなってきた・・・
月一の会でお世話になっています、NeoNです。
こちらには初めてお伺いいたします。
私も最近GT-X970を購入しました。コニカミノルタElite 5400からの乗り換えでした。
コニカミノルタも、スキャン解像度を上げると重くなるだけで画質が良くなった感じは全くしませんでした。民生用のスキャナはあまり解像度を上げない方が良い結果を得られると聞いたことがあります。その意味では、5000EDの性能はさすがなんだなと、改めて思いました。
しかしフィルムスキャナは本当にうるさいですし、連続取り込みが6枚まで。日常的な使い勝手と差し引きすると、私的にはGT-970の圧勝のように思います。
arataさんが紹介してくださっているフィルムホルダー、良いでしょうかね。ピントに関しては若干甘いかなとは感じているのですが、実用レベルでは問題を感じていないのでほって置いているのです。
今後ともよろしくお願いいたします。
>NeoNさん
どうも有り難うございます。あちらではお世話になってます!
コニミノのEliteは以前は定番だったようですが、撤退後残念ですね・・・
5000EDは付属のNikon Scanの使い勝手が最悪だしMac OS10.4以降放置状態なので、今から使うとなるとSilverFastとの組み合わせが大前提になるんではと思います。それでもご指摘のとおりの爆音なので、一軒家に引っ越さない限り継続使用は不可能だなぁと、改めて思いますし。
ホルダーはSilverFastのサイトからも買えるみたいで、そっちの方が安価かもしれません。ちょっと狙ってます(笑)
gtx-970は持っており、画質には満足はしていますが、実用上の範囲でもっと上があるかいつも探しています。有力な選択肢としてニコンの中古があります。(5000と画質ほぼ同等で遅いVと4000)貴サイトの結果を見る限り、エプソンの方がノイズが多い・軟調、解像同等というものです。(ニコンの3は持っていてノイズでなやまされましたがから、そしてエプソンは恐ろしくノイズが少ない機種ですので、それをも超えるのは驚異です。)
なお、フラットベッドが必ず劣るわけではありません。実際にイマコンよりフラットベッドのクレオやセザンヌの方が相当いいですよ。500万なんかだせませんけどね。
上の例をよく見ると970のはみんな右ですよね(真ん中間違えているのでは)。970の絵についてのいめーじですが、諧調が豊富で低ノイズ、恐ろしく軟調、付属アンシャープマスクなしではぼんやりします。(付属USMはCS4のそれよりかなり優秀で暗部ノイズが出たりエッジが立ちません。)ただ付属USMをかけても、ドラムスキャナやプロ用フラットベッドのような、粒子が立ってくるシャープさまではありません。上の絵を見る限り、ニコンも同様なようですね。
大判スキャナの比較サイトです。半分がドラムで、フラットベッドもプロ用が大半です。ニコンはありません。970は価格の割には健闘しており、イマコンの安い方となら大負けはしないようです。
http://www.largeformatphotography.info/scan-comparison/
>gkrsnamaさん
左右逆の件、修正しました。どうも有り難うございます。何でこんな所間違えたのか・・・(^^;;;
比較サイト有り難うございます。これは詳しいですね。参考になります。
ほんとはFlexTightとのガチンコ勝負もやってみたいのですが、さすがに個人では限界があります(笑)。GT-X970は値段の割に素晴らしい結果を出しますが、その利点は標準でONになっているアンシャープマスクのお陰でもありますね。
この点でドラムと比較してもちょっとズルしてる気もしますが、せいぜい半切までにしか伸ばして印刷しない身からすれば、これで充分すぎる品質であるとも感じています。
ただ、技術の向上には大変興味があるので、GT-X970の次世代機が登場の折には、また買い換えてしまいそうです。今日EPSONの開発の方と偶然お話しする機会があったのですが、次世代機はまだ先のような感じを受けました。
http://www.photo-i.co.uk/Reviews/interactive/Epson%20V750/page_1.htm
英評価サイト、ニコンLS-9000との比較サンプルがあります。
http://www.photo-i.co.uk/Reviews/interactive/Epson%20V700/page_1.htm
同、X900です、ニコンLS-4000とイマコンフレックスタイトとの比較サンプルがあります。
ニコンと比べた場合、上記のサンプルでもあなたのサンプルでも、ニコンの方が高品質ゆえにシャープ・クリアでフィルム粒子まで見えるのか、ノイジー・硬調で一見クッキリはっきり見えるのか、良くわかりません。上のサイトではニコンの方がわずかにいいと言っています。ぼくはどうしても贔屓目で見るので、前者と思いたいですけれど。
ただし970は諧調のつながりや低ノイズ性や偽色のなさでは、どこに出しても一流で通用すると思います。スキャナの能力は解像度ばかり注目されますが、こっちの方がよほど重要です。とはいえボタン一発ピクセル等倍の作今ですので、昔より解像度もシャープも重要ですけどね。
ぼくはそのうちクールスキャンVを手に入れるつもりです。もしよければ、970は日常大量用としVのここ一発用と使い分けることになります。オーバホール前提で使用頻度が低ければ、15年以上は使えるでしょう。
あと、970はおそろしく軟調で発色が暗くマゼンタかかる癖がありますね。なぜかキャリブレーションしても治りません。せっかく則色計を買ったのにがっかりしています。手補正で修正できますけどね。
>gkrsnamaさん
5000EDの方は良い品質&高畫素でスキャンしてくれるんで私もまだ手放せずにおります。35mm判だと4000dpi=2000萬畫素前後になるので、X970の3200dpi=1300萬畫素よりもアドバンテージはあります。特に二千萬畫素級のデジカメとの對決となると5000EDの出番です。
X970は仰るとおり多少マゼンダがかりますね。特に35mm判をスキャンする場合、シャドー部が気になります。記事では5000EDとの比較のために35mm判を使ってますが、最近は最低でも中判を選んでしまうので、選択肢はX970一択になってしまいます。うちの場合、5000EDは過去撮った寫眞をスキャンする用途に特化してますね・・・
主様が推薦するので、ヤフオクでVを入れています。テストによれば、5000との意味ある差はスキャン時間だけ。どちらも日解像度3900dpiを実現しています。(VのDレンジは4.2で最大Dレンジであるコダクロームの3.6をしのいでいますし、8bit諧調出力の世界ではデータ諧調が14bitだろうと16bitだろうと変わりはありません。)KMの写真がたんまりありますからね。スキャナをおごりたいわけです。
さて、ぼくが35mmに決めた最大の根拠のKMがなくなってしまいました。(KMなら大判までとは言いませんが中判には勝ちます。)もう一つの根拠軽くて安い、だけが残っています。まあそれでも十分理由になりますがですがね。
なお白黒をやるならKMなど足元にも及ばないHRII(ミリ解像度2500本ですよ)が健在です。HRIIには中判はありません。意味がないので。ただし大判はあります(1枚のフィルムを70-300に分割して撮影するため。大判フィルムの1/300に見開き新聞や雑誌が1枚が写ります。この大判を970でスキャンしたんですが、影も出ませんでした。)
coolscanVを落としてしまいました。5000とVの比較があります。画質の違いは違いないそうです。現役LS-9000よりレンズのイメージサークルが小さいから高画質かもしれませんね。
http://www.filmscanner.info/en/NikonCoolscan5ED.html
他社のスキャナが公称値の半分くらいなのにニコンは公称値に近い3900dpiを実現しているとほめています。これは家庭用としてはセンセーショナルな解像度だそうです。
さて、ここにはエプソン970(=V750)もあります。実解像度は2300dpiしかないと罵られています。ぼくが試験した結果は4800dpi出たんですがねえ。テスト機が壊れていたのか、ピント調整を追い込まなかったのか、970の解像の特徴の、コントラスト再現性に難があり細かいところまで「ぼんやりと」解像するの点を評価しなかったのか、いずれかでしょう。
ともあれクールスキャンが来るのが楽しみです。
>gkrsnamaさん
私もその昔Vにするか5000EDにするか散々迷いましたが、折角ならばと高い方を買ってしまった記憶があります。性能の差は厳密にはあるのかも知れませんが、正直分かりません。解像度は今回のテストどおり、ほぼ4000dpiあるのではと考えています。
GT-X970の実解像度は、私の方ではフィルムホルダーを利用した場合今回の結果どおり3200dpi近辺と捉えています。ガラス直置きの場合はまた違うのかも知れませんが、まだ試せていません。こんどやってみたいと思います。
Epson GT900を使っておりますが、ずーとフィルムスキャナとの比較には興味を持っております。数多くの比較画像がアップされていますが、ちゃんとフィルム粒子まで解像された画像で比較されたものは少なく、とくに、エプソンのちゃっちいフィルムホルダによるハンディを解消して、きっちりピントのあったものでの検討がなされていないのに失望しております。betterscanning.comで焦点を確保し、USMを中等度に利かせた結果では、エプソンでは3200dpiよりも4800dpiが優れておりました。これ以上解像度を上げても今のところ向上は見えません。35mmについては、betterscanning.comではサポートしておりませんが、エプソンのES-10000GというA3まで使えるスキャナに用意されたフィルムホルダ(ESFLUHLD)が手に入り、これを使うとピッタリピントが合い、なおかつ剛性も高いので良いとわかりました。flickrに結構な数のスキャン画像をおいております。ご覧いただければ幸いに存じます。
http://www.betterscanning.com/scanning/models/vseries.html
エプソン製の湿式フォルダです。海外では普通に販売されているようで、そのうち逆輸入してみようかと思っています。フィルムの平面性に難のある中大判なら必須でしょうね。(ガラスで厳密なピント位置に抑えつけるので当然ゲタはありません。)以下は評価
http://www.photo-i.co.uk/Reviews/interactive/Epson%20V750/page_9.htm
ぼくが(レンズフィルム由来のボケがない)実物をスキャンして比べた結果では、情報量は6400≒4800、6400>3200(小さい方はCS4のバイキュービック法で補完して6400にする)でした。
実解像度は難しい。解像度以外にもシャープネスやコントラスト再現もありますし、全般的な硬軟のトーンも印象を変える。大体に粒子が有る方がトーンが豊かでシャープに見えます。実際に、970のだす画より、ノイズざらざらでエッジが立ってひどい硬調のミノルタ デュアルIII 2880dpiのほうがだいぶんシャープに見えます。質は970の方がかなりいいんですが、一見甘くぼんやりしているのですね。
>threepinnerさん
情報有り難うございます。ESFLUHLDは面白いですね。調べてみます。
> gkrsnamaさん
先日EPSONの技術の方にその湿式ホルダーを日本でも売ってよ! と頼んだんですが、薬事法だか何だかの法律が引っかかるみたいで、既存の販売網だと取り扱えない、なんて困った問題もあるようです。子細は不明ですが・・・
私の方からは「直販でいいから売って」「数万円でも日本の好事家なら検討しますよ」なんてお願いしたんですが、可能性は非常に低そうです(^^;;;
GT-X970では、3200dpiを超えたところから不明瞭なジャギーが出てくる点がイマイチですね。これは3200dpi辺りの情報を元にして、ソフトウェアによるアップスケーリングが行われているからではないかと思っています。事実、プログラムで低解像度→高解像度のアップスケール処理を行えば似たような現象が出ますし、やはりその解像度相当の元々の情報が欠落してるから、ジャギーが出てくるのでは、と。
EPSONの技術の方は1600dpi辺りでスキャンするのがいい、とポロッと漏らしてましたが、私の方では3200dpiまでが許容限界と考えています。
CoolSCAN Vが到着しテストしています。エプソンと比べて
1)色が地味
2)ノイズがすこし出る、とくに暗部
3)明部が飛ばない
4)硬調
5)ピントがいい。エプソンではぼんやり見えるだけのコダクローム25の粒状がはっきり見える。フィルムの傷も見えがいい。(ニコンではくっきり、エプソンで全く見えないこともある)
大まかにみた場合、エプソンの方が使いやすく高質ですが、細部を見た場合はニコンがいいと思います。だだ、ニコンの優位性がわかるのは、よほどの場合です。テストに使用したのは高質レンズ(ゾナー85/解像度280本)とフィルム(コダクローム25)を使用して遠くの枯れ木の森を撮影し、ピクセル等倍で観察した場合だけです。岩山・花・雲を撮影した場合は、同じレンズ・フィルムでも差は出ませんでした。
ニコンスキャンとニコンの色には問題があります。SilverFastの導入も含め、使いこなしは考えてみます。
またぼくもそのうち5000を購入することにします。なにより補修期限が10年とVより4年も長いのです。オーバーホール前提で2020年くらいまでは楽に使い続けられるでしょう。
> gkrsnamaさん
全く同意見です。5000EDを今後使いこなすにはSilverFastの併用が必須と考えています。
方やGT-X970の方ですが、EPSON Scanはそこまで低機能ではないし、SilverFastと比較してみても差は見られなかったので、追加出費の必要性は感じませんでした。このまま続行を考えています。
主様、勢いで5000も買ってしまいました。部品保有期限が長いのが決定打になりました。マルチスキャンも有りますけど。たのしみ。
SilverFastでよく見かける970用サードパーティ製フォルダを売っていましたよ。サンプルみるとかなり効果的!9000円、アンチニュートンリングガラスが3000円です。ブロニー用
私の理解するに中大型カメラは、フィルム面積に比例する情報量の増加と、レンズイメージサークルに反比例する情報量の減少が相殺され、結果、35mmにくらべ情報量そのもののはさほどおおきくならない。実際に6×7コニカクローム50や6×9エクタクローム64より35コダクローム25の方がシャープでした(バイテン使いのプロにも同じようなことを聞いたことがあります)。
差は引き延ばし率の低さによる、粒状の目立たなさと自然さ。シャープと自然が同居できるんですね。35ではどうしてもカリカリになる。とすれば、中大型用スキャナもあまり拡大するとぼんやりが見えるけれど、柔らかく自然でノイズが少ない970はまさに最適といえるのではないでしょうか。
4×5から8畳サイズプリントを作るのなど現実的でありません。
> gkrsnamaさん
遂に! おめでとうございます。
ちなみにNikonのサイトにWindows 7対応検討中とありましたので、ひょっとするとNikon Scanの新判がでるやもしれません(が、Macの場合対応予定としながら後でやっぱりやらないと約束を反故にした前科もありますので)。Snow Leopardは切り捨てられました。
http://www.nikon-image.com/jpn/news/info/info091019.htm
35mm vs 6×7 vs 4×5ですが、フィルムの面積比率ほどに情報量が違うかと言われれば、確かにそこまで無いですね。が、これはレンズ設計思想の違いにも依るところが大きいので一律には何とも言えません。例えば大判FUJINONレンズで6×7を撮ったのと、HASSELBLADのCarl Zeissで6×6を撮ったのでは、判はほぼ同じなのにシャープさはだいぶ違います(後者の方がカリカリ)。フィルムの違いもあるかもしれません。
ただ、レンズとフィルムのカリカリ具合がフィルム面積の差を超えられるかと言えば、私はなかなか難しいなぁとは感じます。35mm vs 6×7ではレンズによっては互角またはそれ以上の勝負が可能かも知れませんが、35mm vs 4×5は、最新のNIKKKORナノクリ大三元ズームを持ってしても、リバーサルの原版比較において決定的に次元が違うと感じます(特に同じフィルムを使った場合はよく分かります)。まぁ、それをスキャナーがちゃんと拾えるかどうかはまた全然違う話ではありますが・・・
サードパーティー製フォルダー、私も検討中です。先に三脚のクイックシューを物色中なので、投入時期は少し遅れるかも知れません。
主様
なんと!coolscanVのほうがかなり高画質でした。ピントが全然違います。前にお教えした大判スキャンサンプルサイトの類比(vs970)でいえば、Vはドラム級のシャープさを達成しているかもしれません。
5000は売り払います。
主様
カメラサイズの比較についてですが、とくにカラーでは小型カメラで大型カメラと勝負できるとは思っていません。フィルムサイズの大型化による情報量の増大はサイズに1:1で比例しますが、レンズイメージサークルの巨大化による残存収差の増大による情報量の減少(というか質の劣化)はそこまでは劇的に効かないでしょう。小型カメラのユーザとしてはレンズ・フィルムの高質化で何とか逃げることになりますが、引き延ばし倍率の巨大化により、微細なぶれも目立つ点と、エッジが目立つ点はどうしようもありません。同じ全紙を得るのに、18倍と4倍のばしは全然違うのです。
ただし、白黒ではミニコピーがミリ解像度2500本と異常な高解像度と実用上無粒子で、期待できます。130,000dpi相当となりディスプレイ上にピクセル等倍式にのばせば45m×30mにもなります。これならって思っていますけど、感度25は常用できましたが6には自信がありませんね。
白黒はトライXの租粒子と高感度も魅力なんですがね。
追加報告です。
○デフォルトピント位置の調整、ソフトの再インストールで5000もVと同様の画質を出せるようになりました。このレンズは深度が浅くて苦労します。塩結晶0.1mmが深度に入りませんでした。
Vでスリーブのスキャンを970と同時進行でやってみたのですがかっきり3倍の時間が必要でした。プレスキャン+調整+本スキャンのルーティンを見直す必要があるかもしれません。1コマごとに調整をやっているなんてめんどく臭くて時間がかかってやってられません。
最初16bitでぶっつけ本番スキャン。あとでCS4で調整ならエプソンより高速実行できるかも。
加えてNIKON SCANは高機能ですが、使い勝手が悪いですねえ。難解な点がたくさんあります。
○ミニコピーは今月死にました。ただし、ミニコピーもその仲間でありますが、マイクロフィルムは元気なようで安心しています。実際には欧米ではマイクロの新たな需要が発生しているそうです。(閲覧にはCD、バックアップにはマイクロフィルムのハイブリッド体制です。CDの保存期限は仕様上30年、マイクロはJISに500年とあります。メーカーは1000年と公称しています。)
こんにちは、GT-X970の比較に興味をもち、初めてコメントさせて頂きます。
私の実験では(betterscanningのガラスホルダー使用、フィルムはISO100のEKTAR)、3200dpiと6400dpiでは明らかに後者のほうが解像度やグラデーションの品位が上でした。
(PCモニタで拡大した場合です。 A3程度のプリントでは差が出ませんでした)
また、GT-X970のアンシャープマスクが優秀という話はよく出るのですが、私の実験では暗部ノイズが目立ち、PHOTOSHOPでレタッチするほうが好結果が出ました。
スキャンはいろんな要素が絡むようで、なかなか難しいですね...
> Robertoさん
コメントありがとうございます。お返事に気づくのが遅くてごめんなさい・・・
GT-X970の3200dpiと6400dpiとの比較はまだやったことが無いですね・・・フィルムホルダー使用限定になってしまうみたいですが、興味があるのでこんどやってみたいと思います。
EPSON SCANのアンシャープマスクはそこそこ優秀ですが、Photoshop CS系のものと比較しても、そこまでアドバンテージがあるとは感じません。私の用途ではEPSON SCANので十分と感じているので使っていますが、追い込む必要がある方であれば仰るとおりコントロール範囲の広いPhotoshopの方が良いかと。
betterscanningの方は正直興味あります。時間を作ってチャレンジしてみたいですね・・・