さて三春町に行った後、帰ってきて色々と反省點を出したんですが、一番はやはり三脚でした。現在はSLIKのカーボンマスター813FAといふカーボン三脚を2年前から使っています。これ、35mm判や中判ならOKな強度なんですが、3〜4kgにもなる大判の場合は嚴しい。
強風が吹くとふらふら揺れるし、絞りやシャッター速度操作、シャッターチャージを行うだけで前後に揺れてるのが分かります。この状態で8秒露出などといふ行爲は冗談としか思へない事態であります。先に掲載した夜景にしても、よーく見ると微細にぶれてる、やうな氣もしてきます。
といふことで、どこが揺れてるかよくよく観察してみると、三脚といふよりも雲臺が軟弱といふ結論に達しました。どうもボールよりも上でぶれてるんですなぁ。
私はスリーウェイ雲臺よりも自由雲臺が好みなので、その線で色々Webを調べた結果、自由雲臺の最高峰、ARCA SWISS(アルカスイス)のMONOBALL Z1といふモデルがピッタリだらう、との結果に。ものは試しと、アメリカのB&Hから安價で取り寄せました。木曜日夜に注文して日曜日晝に到着。何といふ迅速な配送。海を越えて来てるとはとても思へません。素晴らしい。
このARCA SWISS、こじんまりやってるお店のようで、何とこのご時世公式Webサイトがございません。辛うじてアメリカの業者がWebサイトを開いてるのと、国内だとケンコープロフェッショナルイメージング(KPI)で取り扱ってるくらい。残りは價格.comや個人blogなどの口コミがメインです。大變參考になりました。有り難ふございます。
今囘買ったモデルは、一般的なアルカ型クイックシューのやつではなく、通常のねじ込み式の雲臺です。こちらの方が安かったのと、どうせ近々Really Right StuffのQuick Release Clampに換装する予定を立てていたためです。
SLIK 813FAに元々付いていた國産の雲臺、SBH-320と比較しても、そのボール部分の太さが違いすぎます。ボールから臺までの棒の部分も、Z1の方が短い。
またノブの軽さ、雲臺の動きの滑らかさ、半締めしたときのコントロール性能、何をとってもARCA SWISSの方が上。といふか異次元の工作精度の高さ。残念ながら大人と子供でせう。こればかりは涙ながらに認めざるを得ない事實でございます。頑張れ國産。世界水準までまだ遠いぞ。
三脚への取り付けネジは、両者とも大ネジです。三脚側が通常の細ネジなので、Z1注文時に一緒にARCA SWISS純正の変換ネジも注文しました。
早速三脚にくっつけて、試しに三渓園まで出かけてきましたが、素晴らしい操作性にクラクラです。案の定、これまで操作するたびにフラフラしてたカメラがビシッと動かなくなりました。
しかも、ノブの目盛りを5辺りにしておくと、ちょっと水平を傾けたいといふ時など、抵抗が有りながらググーッとゆっくり動いてくれます。10辺りまで絞るともうテコでも動かない感じです。ああ、これぞ探し求めていた究極の雲臺。
ただ、現状クイックリリースが付いてない爲、取り付け・取り外しに恐ろしく手間暇がかかります。ううむ、これは早期に改善せねば。
また、懸案だった冠布も買ってきました。これについてはまた今度書きます。ではでは。