既に今月初めの話になってしまうのですが、遂に大判寫眞を始めてしまいました。大型寫眞機や大判寫眞の情報はWeb上にも極めて少なく、他のサイトの情報に大變お世話になりましたので、私の方でも得られた情報を掲載して行きたいと考え手をります。
大型寫眞機といふのは、寫眞館などで蛇腹がドーンとあるやつとか、記念撮影時に赤い布を被って寫眞屋さんのおっちゃんが撮ってくれた、デカくて古くさい寫眞機の事です。
フィルムは大判と呼ばれる種類のもの。サイズは4インチ×5インチ。略して「しのご」又は「フォーバイファイブ」と呼ばれているサイズです。概ね葉書サイズと考えて頂ければ。通常の穴がポコポコ空いた親指大の35mm判と比較してもメチャクチャ大きなサイズです。引き延ばさなくても既に葉書サイズ。
大判の利点はまず、凄まじいばかりの解像度です。まず現在世界中にこの解像度を超えるデジカメは此の世に存在しません。数億畫素を軽く超える超絶解像度でございます。ビルの壁面に伸ばしても大丈夫かも。要するに現在では特殊要件のプロの機材でございますが、元々寫眞機はこのもうひとつ大きなサイズの8インチx10インチ(略して「エイトバイテン」又は「バイテン」)辺りが始祖とも言えるものでございました。
また寫眞機本体の機能的にも、中判や小判では(一部可能な特殊機もありますが)概ね不可能な、煽りといふ行爲が可能となってゐます。これは斜めに見上げて臺形になった構圖を四角に修正したり(ライズなど)、直近から無限遠までピントを合わせる爲にレンズを寝かせたり(ティルトやスウィング)、自分が寫らないやうにレンズを横にずらしたり(シフト)と、もはや何でもありの世界でございます。むしろ、小型寫眞機はこのやうな機能を削って削って縮小したものと考えた方がよろしいでせう。
とはいへ、私の知識はその程度。どうやって始めて良いものか判らないので、書籍を読むより直接習ひに行った方が速いだらう、と、日本大判寫眞家協会の日本大判寫眞塾に入りました。
初囘の寫眞塾でお借りしたのがWISTA 45 SPといふ、板橋區にある大型カメラ専業のウィスタといふメーカー製のものでした(右の畫像)。野外で使う大型カメラの定番はリンホフといふ獨逸のメーカーのマスターテヒニカや、日本のサカイマシンツールのトヨフィールド45AIIといふのが定番だったりするのですが、何故か聞いたことの無いこのWISTA 45 SPが目の前に。
無骨な外装のこの寫眞機をあれこれ弄ってると、NikonのF一桁機に通ずるやうな精密かつ剛健さに氣付きました。興奮冷めやらぬうちに帰宅して調べてみると、新品でも舶來品のリンホフのやうに高くなく、中古だともっと安價。最初といふ事でぶっ壊したら大事と中古が良いと思っていたので、ををこれならば、と思いましたがちと重くて(約2.7kg)中古の出物が無ひ。タチハラ寫眞機製作所といふこれまた國内メーカーの木製寫眞機フィルスタンド45-IIが1.7kg程度なので、こっちがいいかなぁと浮氣していたところ、都内の中古屋である日、状態極めて良好のWISTA 45 SPが目の前に!! 何といふ天啓だらうか!!
かくして我が家にWISTA 45 SPがやって來ました。一部缼品があった爲ウィスタ本社に直接持ち込み、整備調整まで合わせてやってもらひました。大變お世話になりました。次は新品で買います濟みません。>ウィスタ様
つゞく。暫く斷續的に連載してみます。